本日、アオイゼミ特別授業の第3回目記事。第2回は三田紀房が芸術家のようなクリエイティブな仕事に就きたいと夢見ている学生には、才能よりも行動力が大事とどれも興味深い話ばかりだった。今回は、お金の観点で考えた時の仕事や、そもそもお金が持っている意味とは何かについて掘り下げていく。大人でも思わず唸るほどタメになる話が満載だ!
『インベスターZ』の始まりは、
「そもそもお金って何?」
石井:
最近、ニュースで話題ですけど、保育士の待遇があまり良くないっていう話が出てるじゃないですか。子どもがすごい好きだから、保育士になりました。でも、なってみたら結構待遇があまり良くないという現状があって、お金のことをあまり気にせず進路選んでしまったりすることがあると思っていて、その点についてはどのように考えていらっしゃいますか。
三田:
保育士の問題はね、もう個人では解決できない問題なんですよ。世の中には、やっぱりいろんな職業で、なかなか待遇の点でうまくマッチングしてるものって見つけるの大変なんですよね。中高生の皆さんだと、まず自分で自分のお金で生活したことがないんで、分からないんですよね。いったい自分が生活していくためには月いくらぐらいあればいいのか。
石井:
そうですよね。ただ一方で結構、収入で将来を決めるのはけしからんみたいな風潮もありますよね。
三田:
ええ。お金の話ってなかなか大人はしたがらない、特に日本人はお金って非常に汚いものっていう意識がすごく根強いので。だから、ある種お金の話っていうのはちょっとタブー視されてるところがありますね。だから、社会に出るまで日本の子どもたちというのは、なかなかお金とか経済に対して、全く知識がないままいきなり社会に放り出されるんですよね。 だから、そこをもう少し準備したほうがいいんじゃないかっていう、そういう提案で『インベスターZ』が経済について漫画を描こうっていう、それが企画の意図になってるんですけど。
石井:
そうなんですね。
三田:
お金についてなかなか触れる機会がないのであれば、漫画を通じて少しでも知識を持ってもらおうという考えで作品を作ってるんですけどね。
石井:
実際に、主人公のお父さんがなんか「お金の話はするな」みたいな結構、そういうタイプじゃないですか。
三田:
財前のお父さんは典型的日本のお父さんですよね。子どもにはなるべくお金に触れてほしくないっていう、そういう考えですよね。
石井:
そうですよね。ただ、子どもがお金のところに触れて結構面白くてワクワクしながらお金や経済について掘り下げていくところが個人的にはすごい好きなところではあります。
三田:
そうですね、『インベスターZ』は、そもそも「お金って何?」っていうところから始まっていますし。
石井:
私も元々アオイゼミで中学社会の講師をやっていたんですけど、『インベスターZ』は、お金ってなんで生まれたのかというところを掘り下げていて、単純にこうやったら儲かる、みたいな話ではないじゃないですか。
三田:
そうですね、ええ。世の中には、なんにも意識しなくても使ってる道具が、いっぱいあるんですよね。お金もそうで、もう生まれたときから100円持っていけばコンビニで何か買えるわけです。物とお金を交換できるっていうことは、もうなんにも意識しなくても持ってるわけですよ。そもそも、人類が生まれてざっくり1万年として、お金が生まれたのはだいたい4000年前っていわれてるんですよ。
石井:
4000年前。
お金が人間の暮らしに安心を与え、
人々の交流や愛情を育む基盤となった
三田:
人類はだいたい4000年ぐらいかけて、100円とお水が交換できるシステムをつくったんです。じゃ1万年って考えると、6000年どうやってたのって考えるじゃないですか。6000年間は、物と物を交換してたわけですよね。でも、実は、物々交換ってすごくリスクが高い。いざ交換するってなったときに暴力を振るわれる可能性だってあるわけですから。
石井:
確かにそうですね。
三田:
よっぽど信用できる人じゃないと交換できないわけですよ。6000年間、みんなそうやって、もう怯えながら暮らしてたわけです。ところがね、おそらく6000年ぐらいすると頭のいいやつが出てきて、「いや、ちょっと待て待て」と。「物と物交換するの面倒くさいじゃん。なんか、価値を一つつくって、これを使えばなんでも交換できますよっていうシステムにみんなしない?」って提案したやつがいると思うんですよ。その彼がお金やお金という概念をつくった最初の人類だと思うんですよね。
石井:
なるほど。
三田:
そうすると、だんだんそれが時代を経て、100円という価値が生まれて、100円をコンビニに持っていくとお水と交換できるという仕組みを、ずっと長い間時間をかけて人類はつくった。つまり、100円を持ってくると、お店の人は信用するわけですよね。
石井:
そうですね。
三田:
ということは、お金が生まれて、初めて信用、人を信頼するってことが人類に生まれたわけですよね。
石井:
それまでは家族とかじゃないと信用できなかったわけですよね。
三田:
それまではだから、みんなで交換する統一した価値を持ってる人は信用できる人というふうに、そこで初めて人類は誰も知らなくても人を信頼するようになったんですね。
石井:
そう考えると、お金の発明ってめちゃくちゃすごいですね。
三田:
これはね、人類に対する貢献度っていうのはもう本当ノーベル賞級の発見なんですよ。お金ができることによって、人は、人と会うことの恐怖感がなくなるんですよね。そして、人と人が会うと何が起こるかというと、人と会話をするようになってくるんですよ。
石井:
そうですね。
三田:
会話が生まれ始めると言葉が一気に爆発的に増えて、人と話をするのが楽しくなる。人と会うのが楽しい行為になるわけです。そうすると、人類の知恵がそこで一気に爆発的に増えていくんです。だからお金が人類に生まれたことによって、人が人を信頼して、そこからいろんな人との交流が生まれて、そこで愛情が生まれたというわけです。いろいろ紐解いてみるとそこから人口が爆発的に増えていくんですよね。
石井:
そうなんですね、それは面白いですね。
三田:
だから、お金を出して、お店の人が黙って「どうぞ」って、全然会ったこともない知らない人なのに、お金を出すことによって、物を無条件でもらえることは実は、すごいことなんですよね。
石井:
確かにそうですよね、なんか当たり前になりすぎちゃってるんですけど。
三田:
そう。だから、実はそもそも論ってあんまりね、ちゃんと紐解いた書物ってないんですよね。実はこの『インベスターZ』ってすごく、そういう意味ではすごく面白いことがいろいろ書かれているんです。
石井:
お金って、身近すぎて分からないんだけど、そこをなんかもうちょっと深掘りして考えてみようという作品ですよね。
三田:
そうです。お金をたくさん儲けるということは、何か悪いこととつながってるんじゃないかって、どうしてもあんまりいいイメージないじゃないですか。脱税とか。お金儲けをしている人を拝金主義者って、決めつけてる部分があると思うんですけど。実はそういう画一的な考えを改めて、もっといろんな角度からお金に対して考えてみたらどうですかっていう、そういう提案を『インベスターZ』ではしてるんですよね。
■終わりに
いかがだったろうか。お金が存在したことで、人は安心して食料や水を手に入れ、他の村や地域に住む人と交流し、愛情を深め、子供が出来たりしたなんて想像していただろうか。当たり前すぎて疑問すら持たないことも再定義する点は『インベスターZ』の特徴の一つだ。右肩上がりに面白くなる『インベスターZ』に今後も注目!
▼【特別授業】三田紀房先生×アオイゼミ「自分の将来は[お金]で決めよう!」が以下でご覧になれます☆
・三田紀房「夢はサラリーマンになることだった」(8分45秒~)
・夢は変わっても良い(13分45秒~)
・能力だけで成り立つ職業はそんなにない(29分05秒~)
・お金とは何か?(41分15秒~)
記事では載せられなかったおもしろい内容が盛り沢山☆
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