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今をときめく若手アーティスト二人・SKY-HI氏(29歳)とぼくのりりっくのぼうよみ氏(18歳)が三田作品の大ファンということから、異色の鼎談が実現。漫画×音楽の成功者が、三田作品についてそしてそれぞれの”仕事論”について大いに語る!(本日8月4日発売の週刊モーニング36/37合併号より転載しています)

「常識をことこどく
ひっくり返してきた」-三田紀房


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三田紀房


SKY-HI:僕が三田さんの作品にハマったのは高校生の頃。連載中だった『甲子園へ行こう!』がきっかけです。

三田:うわぁ、ずいぶん前から読んでくれているんですね。

SKY-HI:「努力、友情、勝利」というスポーツ漫画の王道を押さえながら、練習も試合運びも論理的で、勝利の理由が納得できる。それが新鮮でした。僕自身、ちょうど将来を考える時期だったので、このロジカルな捉え方に共感したんです。

三田:天才肌の子が頂点を目指して活躍するのが一般的なスポーツ漫画。でも僕は、体が小さく球も遅い子が、どう練習を積み重ねて強くなるかというところに焦点を当てていたので、そう感じてくれていたのは嬉しいです。

ぼくのりりっくのぼうよみ(以下、ぼくりり):僕も三田さんの作品に影響を受けました。最初に『エンゼルバンク』から入り、次は前作の『ドラゴン桜』。僕は昨年末にメジャーデビューしたんですが、受験生でもあったので勉強法は参考になりました。例えば、英語は単語ではなく例文で覚えるなど、「そうか、こうした方が良いのか!」と驚くことも多かったです。

三田:一般的と思われている勉強法は、実は効率が悪かったりする。そういった常識を、ことごとくひっくり返していきましたからね。

SKY-HI:三田さんの作品は、通説を否定するところが気持ちいいんです。しかも理に適っている。
 例えば、世のビジネスは著者の主観が強いので、納得できる部分と、それは違うだろと思う部分があるんですが、三田作品は常に客観的に矛盾点を突いています。下手なビジネス本よりタメになりますね。

ぼくりり:『インベスターZ』もそうですよね。それに情報だけではなく人間ドラマも描かれているから夢中になります。僕は時々、財前と自分を重ねてしまうんです。

三田:それはどうして?

ぼくりり:財前は中学生で3000億円ものお金を運用するという特殊な環境にいます。僕も立場は違うけど、高校生でデビューして周りの子とは違う道を歩いている。そうすると無意識に調子に乗ってしまうことがあるんです。だから、財前くんが合宿で先輩にボコボコにされた時は、身につまされる思いがしました。調子に乗るなよ、って言われているようで(笑)。その点、いつも冷静でストイックな主将・神代には憧れますね。

SKY-HI:神代は常に正解の人だもんね。

三田:頭脳明晰とはいえ、財前はまだ中1。彼の目線からすれば高3の神代はかなり大人なので、財前を諭すような理性を持った人間として描こうという意識はありました。

SKY-HI:僕もこの作品には、ハッと気づかされることが多いです。最近では、投資三番勝負の不動産対決で、藤田慎司が長屋を買ったシーンに心動かされました。伝統工芸を守るという善意だけでなく、ビジネスとしてメリットのある投資をする。芸能は無償で出資を受けることもあるけれど、僕は音楽の作り手として、出資額に見合った価値の曲を作ろうと思ってやっている。だから、慎司のWin-Winの投資にすごく共感したんです。

三田:心からの善意をビジネスに結び付けようとしている人はまだ少ない。その中で、ユーグレナの出雲充社長の話は面白かったですよ。彼は、ミドリムシで人類を救おうと本気で考えている。まさにWin-Winを体現している人物ですね。

ぼくりり:企業って、人の想いがあって成り立っているんですね。投資はただのマネーゲームだと思っていたけれど『インベスターZ』を読んでから株価の変動の裏にいる人々のことを考えるようになりました。そうしたら投資がしたくなって、口座を作ろうと思っているところなんです。

「新しい音楽の打ち出し方を
模索したい」-ぼくのりりっくのぼうよみ


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ぼくのりりっくのぼうよみ氏


三田:おお、それはいいですね!世の中には必ず「仕組み」があって、それは株も同じ。損をする恐怖感から、株に手を出さない人も多いけれど、仕組みを理解して上手に付き合えば、自分の生活にプラスになるんです。僕はまず10万円で始めることを提案しています。たとえ損をしても、授業料だと思えばいい。
 突き詰めれば投資も人生と一緒で、リスクを考えて行動しないより、どんどん飛び込んでいったほうが結果としてプラス面が大きいと思うんですよね。

SKY-HI:まさに”ファーストペンギン”ですね。僕は曲をつくるときもそうあるべきだと思っています。音楽はCDがいくらとか、価格が決まっています。でも愛の程度によってかけるお金が違っていいと思う。お金を出して聴いてくれる人のために、どうやればメッセージがより伝わるか、新しいことはできないかといつも考えています。

「歌詞作りは
『感情に服を着せる』作業」-SKY-HI


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SKY-HI氏


ぼくりり:お金の点からいえば、僕は楽曲制作のクラウドファンディングを始めるつもりです。もしかしたらシャチみたいな敵がいて食べられちゃうかもしれないけど、勇気を持って、ファーストペンギンとして新しい音楽の打ち出し方を提示していきたいと思っています。

三田:いや~、二人とも若いのにしっかり考えているなぁ。

ぼくりり:三田さんはこれまでたくさんの漫画を描いていらっしゃいますが、作品作りのセオリーはありますか?

三田:物作りにはいろいろな考え方・方法がありますが、僕はまず大きなテーマを立て、その中でオリジナリティを探し、話を広げるよう心掛けています。
 『インベスターZ』でいえば、テーマは投資。ポイントは、主人公が中学生という点です。証券マンが1000億円を動かしても驚きませんが、中学生が部活動で投資をするとなれば興味が湧くんですよね。

SKY-HI:メッセージをより強く届けるために、漫画的演出を施すんですね。僕はテーマを決めたら、「感情に服を着せる」ように歌詞を作ります。同じ感情でも季節や時間、状況によって伝わり方は変わってくる。だから、聴く人のことを考えながら、感情に彩を添えていくんです。

ぼくりり:僕も最初にテーマを決めますね。その方が伝えたいことが明確になりますから。

三田:作り手の考えが漠然としている限り、相手に伝わりません。できるだけ具体的なイメージを持てるように作ることが、僕たち「伝える職業」の人間には大切なことではないでしょうか。

SKY-HI:三田さんの作品は経済やスポーツ系が多いですが、娯楽ものはどうですか?
今、音楽業界ってすごく面白いんです。クラウドファンディングのように売り方も多様化しているし、浮き沈みも激しくて、まさにビジネスの転換期!そんな業界の裏側を描いた漫画があったら読みたいなぁ。

三田:漫画業界はもうネタ切れだと言われていますが、話を伺ってまだまだ知らない世界、仕組みがたくさんあると感じました。そこを具現化すれば、マーケットは無限にある。エンターテイメントの世界も、お二人のように真摯に向き合う若者がいれば、もっと盛り上がっていくでしょうね。

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出典:週刊モーニング 36/37合併号(2016年8月4日発売)

★スペシャル座談会の様子が動画でご覧になれます!!


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【応募方法】
ハガキに、郵便番号・住所・氏名・年齢・職業・電話番号をお書きのうえ、
〒112-8001 東京都文京区音羽2-12-21 講談社モーニング編集部「インベスターZ」スペシャル座談会プレゼント係までご応募ください。締め切りは8月19日(金)当日消印有効。

■プロフィール

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    SKY-HI

    ’05年、人気アイドルグループ「AAA」のメンバーとしてデビュー。同時期からラッパーとしても活動を開始し、MCバトルやクラブに出入りして腕を磨く。’13年、ソロでメジャーデビュー。ヒップホップのみならずロックやサブカルシーンにおいても注目され、今年2月から行われた全国ツアーでも成功を収めた。

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    ぼくのりりっくのぼうよみ

    現役大学生ボーカリスト。高校時代より「YouTube」等の動画サイトに楽曲の投稿を開始。各メディアで「驚愕の才能」と高く評価され、高3でメジャーデビューを果たす。卓越した言語力から生み出されるリリック、表現力が話題となり、各方面から大きな注目を集めている。

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