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2017/01/16

『インベスターZ』松井君×会社四季報コラボ企画 Vol.7 【小森コーポレーション】 最終回は「お金」に 深~く関わる会社が登場!

発売中の『インベスターZ』12巻には、『会社四季報』をこよなく愛するキャラクター・松井君が登場する。四季報の魅力をしゃべり出したら止まらない、四季報オタクの松井君に財前は珍しく押されっぱなし。そんな松井君が会社四季報の中から「将来性あるニッチ企業」を紹介していく本コーナー。最終回は、「お金」に深~く関わる企業を取り上げる。

☆画像1(お金)
Photo credit: Dick Thomas Johnson via Visual Hunt / CC BY

 

財前:

おい、何じーっと1万円札を眺めているんだよ。いくら見たって、お金は増えないよ!

松井:

そうなんだけどさ。お札ってよく見ると、表の下のほうに小さく「国立印刷局製造」って書いてあるんだ。お金もふつうの製品みたいに製造元をちゃんと記載しているんだって最近気が付いて、ついつい見ちゃうんだよね。国立印刷局は、紙幣のほかにも官報やパスポート、切手、証券のような公共性の高いものを作っていて、2003年4月1日に独立行政法人になった。その前は、省直轄の印刷局が紙幣を作っていたから、製造時期によっては「財務省印刷局製造」とか「大蔵省印刷局製造」という記載も出てきて、面白いんだよねー。

財前:

お札の製造っていえば、偽造防止のためにいろんな工夫がされているんだろう?

松井:

そうそう!「ニセ金」を簡単に作らせないために、いろんな技術が使われている。有名なのは肖像画の「すかし」だよね。紙の厚さを部分的に変えることで、お札を光にかざすと人物が浮かびあがるようになっている。そのほかにも、「深凹版印刷」で一部のインキを盛り上げることで、ざらざらした触感を出したり、「ホログラム」という技術で、角度を変えるごとに金額、「日」の文字、桜の画像がそれぞれ浮き出るようにしたり……。本当にすごいんだ。極めつけは、「特殊発光インキ」!紫外線を当てると、お札の一部分だけが発光するって知ってた?こうやって太陽の光に当てると……。

☆画像2(印刷局ホームページ)
国立印刷局ホームページより

 

財前:

詳しいのはわかったから、落ち着いて(笑)。それにしても、すごい技術だなあ。確かにお金を偽装されたら大変だし、製造側もミスがあってはならない、プレッシャーのかかる仕事だね。

松井:

これらの特殊印刷を実現可能にしているのが、「証券コード6349・小森コーポレーション」。日本で唯一の紙幣印刷機メーカーで、もちろん国内トップシェア。僕たちのお財布に入っているお札はすべて、小森コーポレーションの印刷機で印刷されているんだ。ドイツ、イギリス、インドネシア、フィリピンなど、海外にも紙幣印刷機を輸出して高い評価を得ている。日本をはじめ、各国の経済活動を支えている会社と言ってもいいかな。

☆画像3(四季報記事)

財前:

大きく出たなあ。まあでも、偽装を防ぐ技術ってすごくレベルが高そうだし、いろんなノウハウの蓄積がありそうな会社だね。業績は【増益続く】か、いいなあ。「国内は省エネ機器導入の補助金への対応実り伸長。だが北米や中華圏が想定以下。前号より営業増益幅縮小。17年3月期も中華圏厳しい。国内も一服。ただ欧州と北米で更新需要。合理化も効く。営業増益続く。税発生だが配当据え置きも」。中国の景気低迷の影響が結構ありそう。でも輸出先が多岐にわたっているから、欧米の需要でカバーできるってことか。売り上げの海外比率は7割!立派なグローバル企業だ。

☆画像4(業績欄)

松井:

世界で戦える技術レベルだってこと。紙幣印刷機だけじゃなく、カタログやポスター、雑誌、商品パッケージの印刷機も作っているよ。1923年創業で90年以上の歴史を持つ老舗なんだけど、業界でいち早く機械の自動化・スキルレス化を進めたことがきっかけで、海外の市場に評価されたみたい。

財前:

老舗でありながら、業界を引っ張る存在でもあるんだ。紙幣の印刷はいつからしているの?

松井:

1961年だよ。メーカーとしての実力が認められて、当時の大蔵省印刷局から、紙幣印刷用ドライオフセット印刷機を受注したんだ。

財前:

それからずっと小森コーポレーションが紙幣印刷を担当しているのか。本当、「お金」と深くかかわりながら技術を磨いてきた会社なんだなあ。

松井:

いろんなものが電子化されてペーパーレスになりつつあるけど、形として残る紙の書籍もなくなってほしくないよね。自分の部屋の本棚に四季報がずらーっと並んでいるのを見ると、やっぱりうれしいからなあ。

財前:

結局、それかよ!本当に松井の「四季報オタク」ぶりはとどまるところを知らないなあ。

 

 

 

 

☆マンガ

松井君の会社四季報シリーズはこれで最終回になります!松井君の目線になって四季報を読むと、普通の何倍も楽しめるかも?!是非お試しあれ!

☆松井君×会社四季報コラボ企画シリーズ☆
Vol.1 虹技~マンホール女子も注目! 虹色の技を持つ会社
Vol.2 シマノ〜街乗りからレースまで!こころ躍る瞬間を作り出す会社
Vol.3 鎌倉新書〜出版社から情報加工会社へ 「ありがとう」をつなぐ会社
Vol.4 MonotaRO〜中小メーカーの強い味方! 急成長中のBtoB通販企業
Vol.5 ロゼッタ SFを現実に! 言語の壁を消す会社
Vol.6 堀場製作所 「はかる」ことなら何でもする! 「おもしろおかしく」が社是の会社

 

◆インベスターZ<1話>の試し読みはこちらから!

◆『インベスターZ』と『会社四季報』が夢のコラボレーション!
なんと、財前と美雪が『会社四季報』の表紙を飾りました!四季報が始まって以来、初めてのマンガとのコラボです。描き下ろしマンガ「『インベスターZ』財前くんと学ぶ 会社四季報ラクラク活用術」もダウンロードできるので、ぜひ東洋経済のウェブサイトでチェックしてみて。四季報の発行月は、3月、6月、9月、12月。「『インベスターZ』のコミックと同じ」と思って覚えよう!

情報協力:『会社四季報』編集部

関連リンク:東洋経済の株式投資メディア

関連書籍:『会社四季報』2016年2集 春号

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