Q. 銘柄と投資額の他に、決めておくべきことは?
A. 目標と使い道を、しっかり練っておくこと!
手ごろな金額で始めればいいのならひと安心。でも、まさか投資した資金が丸ごと消えてしまうなんてことはないんでしょう?
「理論上は、ありえます。株式投資とは企業への出資。その企業が倒産したとなれば、出資金はほぼゼロになる。その可能性は、小さいながら常にあります。そこを考えると、投資には余裕のある資金を使うのが大切。『このお金がなくなったら、明日からの生活に事欠く』という状況は避けるべきです。それでは冷静な判断もできなくなってしまいます。最初はお小遣いの範囲でというのは、そういう意味も含めてのことです」
心のゆとりが必要ということなんですね。
「はい、投資家にとって重要な要素の一つとして〝情に流されないこと〟が挙げられます。人間誰しも心理的に揺れることはあります。ですが、そういうときに、人は投資で最も失敗をしがちです。判断力が鈍ったり、考えが凝り固まったりしますから。なので、そういう事態を避けるために、〝情に流されにくい状況に自分を置く〟ことを心掛けることが肝要なのです。
投資額を無理のない範囲にする以外に、冷静さを失わない対策はあるだろうか。
「きちんと目標を決めておくことですね。投資で元手をどれほど増やしたいか。それを何に使うのか。そのあたりをはっきりさせるべきです。投資はやはりワクワクする体験です。株価が上がったり下がったりして、自分のお金が増えたり減ったりする。それを眺めていると、気分が盛り上がって、投資そのものが目的になってしまうことは多いのです。
ゲームをしているのだと割り切れるならそれでもいいのですが、これは自分の大事なお金を使ってやっていることです。投資の目的は、やはりきちんと利益を確保することでしょう。ならば、この投資でどれほどの利益を見込むのか、定めておかねばなりません。そうすることで、株価が上がったところで売り、損はなるべく早めに切り、結果を確実に出す判断ができます。
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まつざき・ゆみ
マネックス証券株式会社
営業企画部PR担当
2010年マネックス証券入社。
マーケティング部(現・営業企画部)に所属し、
投資・債券・日本株・米国株の担当としてマーケティングに携わる。
2012年12月よりPR担当として、
PR・広報に従事。
出典 インベスターZ 1巻巻末記事より