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~スタートトゥデイ・前澤友作社長インタビュー 美雪が突撃!キーパーソンに聞く Vol.4

株式投資をする上で大事なのは、「会社」や「経済」を理解すること。経済を動かすさまざまな人にインタビューし、疑問に答えてもらうこのコーナー。4回目は皆さまおなじみ、 日本最大級のアパレルECサイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイの創業社長・前澤友作さんの登場です! 今回は戝前に代わって、マンガと同じく美雪がインタビューしました。

美雪:またお話が聞けてうれしいです。今回も時間は10分ですか?

前澤社長:少しくらいオーバーしても大丈夫ですよ(笑)。

美雪:先日はお話を伺って、本当にびっくりしました。「好きなことしかやらない」「ムダなことはしない」ときっぱりおっしゃって、しかもそれを徹底しています。週に3日しか会社に行かない上場企業の社長がいるなんて、思ってもみませんでした。

前澤社長:僕の場合、仕事は全部趣味の延長です。10代のころはバンドを組んでいて、レコードやCDのコレクターでもありました。一時期渡米していたこともあって、日本にない世界中のマニアックな音源が買えたんです。帰国したら友達からそのレコードやCDが欲しいと言われて、売ってみたらどんどん人気が出た。これはビジネスになると思い、1995年にカタログ通販の会社を立ち上げました。 凝り性なので、当時めちゃくちゃいいカタログができて(笑)。売り上げは順調で、途中からネット販売に移行しました。その後、音楽と同じくらい好きな洋服も売りたいと思い、ストリート系のアパレルブランドを中心に声を掛けて、セレクトショップをウェブ上にオープンしました。それがZOZOTOWNの原型です。

美雪:「趣味と仕事は分けたほうがいい」と言う人もいます。好きなことと、ビジネスは両立できるものですか。

前澤社長:いや、「好きこそものの上手なれ」ですよ。ファッションが好きだからこそ、洋服を扱う仕事でもかっこよくありたい、変なことはしたくないと思って気合が入る。だから採用で重視するのは、とにかく僕と同じくらい洋服が好きだということ。SEのようなバックヤードの社員も同じで、好きだからこそ洋服を買うお客様の気持ちになってインターフェイスを構築できる。 例えば、ZOZOTOWNは検索機能にこだわっていて、シューズならヒールの高さや形、パンツなら「ウエスト」「股下」「ヒップ」「もも周り」のサイズを5ミリ単位で指定して商品を絞り込めます。また、着用モデルの身長やサイズを掲載して、お客様自身のサイズと比較していただくこともできる。画面上での商品レイアウトや表示数も日々改良していて、使い勝手の良さはどこにも負けない自信があります。 当社はファッション好きの集団なので、他のECサイトには卸さないブランド様が出品してくれることが多い。あらゆる面で社員の情熱が発揮され、他社との差別化につながっています。

美雪:好きなことなら自然と頑張れるって、確かにそうですね。私もピアノのレッスンは退屈だけど、株の本を読んで勉強するのは全然苦になりません。それにしても、経営者って重責を負って忙しそうにしているイメージがありましたが、前澤社長はすごく余裕がありますよね。

前澤社長:忙しそうにしている経営者や従業員は、自分で仕事を増やしているだけじゃないかな。前にも言ったとおり、僕はムダが大嫌い。例えば、社員がパワーポイントで資料を作って報告してきても受け取りません。そんなの口頭で伝えてくれれば済む話でしょう。そういう余計なことをやって仕事した気になったり、疲弊したりするより、社員には余裕がある生活を送ってちゃんとハッピーになってほしい。

美雪:御社の従業員は「1日6時間勤務」で、しっかりと業績を上げています。なぜ他の会社は同じようにできないのでしょう。

前澤社長:ムダを省いて本質的な仕事だけに絞れば、出社は1日6時間で十分です。できないのは、できっこないと思い込んでいるからで、残業をなくそうと本気で思ってないんじゃないかな。僕は会社の仕組みについて年中考えています。そして施策を実行するときは、徹底的にやる。残業削減も、ただ「残業を減らそう」と掲げるだけでは弱いので、「6時間勤務」というインパクトあるメッセージを打ち出したのです。おかげで社員の意識がガラッと変わっただけでなく、メディアに随分取り上げられてPR効果もありました。

美雪:「何をするか」と同時に、「どうやるか」も大事なんですね。

前澤社長:その通り。組織改革とブランディングが同時にできるわけです。最近では、ZOZOTOWNの10周年を記念して「0円販売」を企画しました。しかもサプライズで、ある日突然、洋服の価格が0円になる。 そうすると「エラーが起きている」という憶測が飛び交い、SNSで「今のうちに買っちゃえ」と拡散されてヤフーニュースのトップに載りました。さんざん話題になった後で、「これは10周年のお祝いです!本当に0円です」と発表したところ、さらに盛り上がりましたね。

美雪:すごい! 0円というだけでも話題になりそうだけど、サプライズにしたことでさらに拡散したんですね。

前澤社長:事前に思い描いていた通りの展開でした。僕は詰将棋みたいに、一手一手を戦略的に考えていくのが得意です。あとは高校生のころからサプライズパーティーとかを企画して、友達を喜ばせるのも好きでした。ビジネスの領域でも、まだやっていないことで面白いこと、僕らの強みを生かしてお客様に喜んでもらえることがないかと常に考えています。そういうことを見つけていけば、ムダな競争をしなくて済みますからね。

美雪:ムダを拒否したり、ユニークな施策を考えたりするのは、みんなをハッピーにするためなんですね。ところで、社長はアートがご趣味ですが、どんな作品が好きですか。

前澤社長:コンテンポラリーアートが好きですね。特に、「何これ?」って思わず立ち止まっちゃうような作品がいい。ビジネスはロジックと計算で成り立っていて、シンプルに答えが出る。現代アートはその逆で説明がつかない。その両方の世界を行き来することで、バランスを取っています。いま美雪ちゃんが座っているイスは、僕の好きなジャン・プルーヴェの作品だよ。

美雪:えーっ! ジャン・プルーヴェって1脚何百万円もするはず……。

前澤社長:さすが、よく知っているね。座って気付く人はほとんどいないけど(笑)。

美雪:やっぱり前澤社長ってすごく個性的です。

前澤社長:そんなに特別なことをやっているわけではないと思うけどなあ。ただシンプルに好きなことを好きな人たちとしているだけ。でも、それができない人が多いのかもね。

美雪:素敵ですね。社長みたいな経営者が増えると、日本の会社はもっと元気で楽しくなりそうです。ありがとうございました!

まえざわ・ゆうさく

1975年千葉県生まれ。早稲田実業学校卒業後、渡米をきっかけに輸入CD・レコードのカタログ販売を開始。98年、有限会社スタート・トゥデイを設立し、バンドでメジャーデビューを果たすも、2000年、バンド活動は休止し会社経営に専念。同年、カタログ販売をオンライン化し、アパレル商材の取扱いを始め、次々と個性的なオンラインセレクトショップをオープン。04年、その集積として、ファッションショッピングサイト「ZOZOTOWN」を開設。07年、東証マザーズに上場(3092)。12年2月、東証第一部に上場。現在、事業を通して「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」という企業理念の元に集まったスタッフと日々「楽しく働く」ことを大切にしながら理念の達成を目指す

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