景気の先行きが不安な今、非常に注目を集めている『金(きん)投資』。しかし、金投資と言われてもあまりピンとこない人は多いだろう。金投資とはなんなのか?金投資は何が魅力的なのだろうか。金地金の販売や先物取引を扱っているサンワード貿易株式会社の平賀さんに語ってもらった。
金(きん)はどうして私たちを魅了するのか?
人類の歴史上、なぜ金がこれほどまでに魅力的なものとされてきたのかは、やはり「輝き」と「希少性」という2点につきると思います。
太古の昔から金の輝きに人々は魅了されてきました。さびないし、腐らない。
輝きが衰えることがないんですね。
例えばツタンカーメンのあの黄金のマスクを思い浮かべてみてください。三千年以上前に作られたとされる、あの黄金のマスクはいまだ輝きを放っています。どれだけ時を経ても変わらず美しい「金の輝き」は人の心を掴んで離しません。
また希少性に関していうと、有史以来人間が掘り出した金の量はおよそ18万トンと言われています。それはオリンピックプールのたった3杯くらいの量です。それくらいしか取れていないんですよ。そしてこれから新たな金脈が発見されるようなことがない限り、金はあとオリンピックプール1杯分程度しか残っていないと言われています。現在、年間で3000トン程採掘されているのですが、このペースで行くとあと二十年で枯渇する量です。このように資源として量に制限があるということは、その分貴重な価値を持つということになります。
金の生産高でいえば、長い間南アフリカがダントツで一番だったんですが、今はもう世界で5番目まで後退するほど金が採れなくなった。今だと地下3000メートルまで掘らないと金は出ないみたいです。ちなみに現在1位は中国。ベスト10はこのようになっています。
引用:外務省HPよりhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/ranking/gold.html
実物資産としての「金」
例えば貨幣とかであればどこかの国で発行されているものですね。それは発行元となる国家の信用によって成り立っているといえるので、常に発行元の信用リスクがつきまとい、時によっては無価値になってしまうことだってありえます。
しかし、金は自然資産で、どの国のものでもない無国籍通貨ですから発行元がなく、誰の負債でもありません。その物自体に価値がある実物資産ですから、信用リスクがないのです。人類の歴史上、一度も無価値になったことはありません。どこの国に行っても共通の価値として認められています。
この信用力こそが資産としての金の魅力ですよね。だから景気が不安定なると、金が買われる傾向が強くなります。そういうときこそ金の信用力がよく表れますよ。
金投資はどこで出来るのか?
金の投資方法は大きく4つに分ける事が出来ます。
1つ目は現物を買う方法。金のバー(インゴット)やコインを買うということですね。これは地金商で購入できます。例えば、田中貴金属や三菱マテリアルなどが有名です。よく銘柄によって金の値段は違うのかと聞かれたりしますが、金の値段は取引所で値決めされているので純度99.99%の純金であれば変わらないですね。でも発行元によってバーに刻印ができる特典があります。刻印はその金に信用性を持たせます。世界的に有名な銘柄の刻印があるのは心強いでしょう。
2つ目は積立。例えば毎月コツコツ1000円ずつとかで積立をしていく。そして一定金額積立が出来たらバーに換えるんです。一般的には1kg分積立てたらそれをバーに換えます。積立はなかなか人気ですよ。地金商、銀行、あるいは商社などで積立ができます。
3つ目が金ETFです。これは、金を証券化した取引で上場投資信託とも言います。日本だと「金の果実」がとても人気。アメリカだと「スパイダーゴールド」ですね。
これらは株式と同じ仕様で証券会社において取引をすることになります。株式投資をしている人からすれば手軽に始めることが可能です。 現在、スパイダーゴールドは世界で一番金のETFでお金を集めており、世界中の投資家がその残高に注目していますよ。
最後の4つ目は金先物取引。これは、将来決められた期日の価格を現時点で決め、売買することを約束する取引です。例えば、現時点で1gが4280円だとします。今後、値上がりをすると予想し、4280円で買うという約束をします。当然ですが、将来金の価格が上がれば利益がでますし、価格が下がれば損失になります。しかし、他の取引と違うのは、FXと同様にレバレッジが効いている事です。1kg428万円の金を9万円(証拠金)で運用する事が可能なんです。資金効率を高め、ハイリターンを狙う事も可能ですが、その分、相場の読みが外れれば証拠金以上の損が出る可能性がある取引になります。4つの金投資の中では一番ハイリスクハイリターンとなっています。ちなみに、1kgのインゴットを取引所経由でいわゆる卸値で受け取ることも可能なんですよ。
詳しくは、商品取引会社に問い合わせてみて下さい。
サンワード貿易株式会社HP:http://www.sunward-t.co.jp/
後編は「オススメの金投資のはじめ方」や「金にまるわる話」を掲載!
後編はこちらから:「金(きん)投資 」って何?「守りの金投資」の魅力!(後編)
=======================
◇インベスターZ/1巻は コチラからご購入頂けます☆