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『インベスターZ』で投資部は、約3000億円の資産を運用している。目標利益は年間240億円。 規模が大きすぎて個人投資家の参考にならない! と言わないでほしい。主人公の財前は、投資部に入った当初は株式投資のことを何も知らない“ど素人”。投資の初心者だったが、先輩たちから知識を得て、どんどん成長していく。『インベスターZ』には、財前が学ぶ「株初心者向けの知識」がたくさん詰め込まれている。抜粋して紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。

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そもそも配当金って何?

「株式投資に興味はあるけど、株価の変動を分刻みでチェックするのは大変そう……」と思ったことはないだろうか? 専業のデイトレーダーならともかく、日中の仕事を持っているサラリーマンにとって、毎日のマメな株価チェックはなかなかハードルが高いのも事実。スマホや会社のコンピューターで投資情報を見てばかりでは、本業での評価に響きかねない。

そんな人にオススメなのが、「配当金」で稼いでいく方法だ。
配当金とは、株式を発行している会社が、株の持ち主(株主)に対し、事業の利益を還元する目的で分配するお金のこと。

株式投資から得られる利益として、ほとんどの人が最初に思いつくのは「値上がり益」、つまり手持ちの株の売買によって得られる利益ではないだろうか。しかし、値上がり益は株式投資による利益のひとつに過ぎない。「配当金」も、株で稼ぐには欠かせない要素だ。配当利回りの高い優良企業の株をたくさん持っていれば、それだけで相当な額の収入が期待できる。経験豊富な投資家にも、「配当と株主優待を目当てに株を買っている」という人は少なくない。

自分の持っている株に対し、どれだけの配当金が支払われるかを把握することは、株価の変動をチェックすることと同じく非常に重要だ。今回は配当金の仕組みと基本を説明していこう。

配当金は、業績好調の会社から株主に配られる「お礼」

まず覚えておきたいのは、全ての会社が配当を実施するわけではない、ということだ。配当金は、事業が好調な会社が、従業員への給与や設備投資、内部留保などに使う資金を確保した上で、なお余裕がある場合に余剰金を株主に分配するもの。事業の業績が悪ければ、株主に配分できる利益はなく、配当も実施されない。これを専門用語で「無配」と言う。業績が非常によければ、配当を増やす場合もあり、これを「増配」と呼ぶ。逆に、配当が減らされることを「減配」と呼ぶ。

また、そもそも配当制度そのものを採用していない企業もある。こういった会社は、利益を会社の成長に費やすことで、株価の上昇を狙う経営戦略を採っている。配当金ではなく、値上がり益による利益還元を重視しているというわけだ。代表例としては、初期のマイクロソフトなどがある。

配当の実施は年2回が一般的だ。1回目を「中間配当」、2回目を「期末配当」と呼ぶ。それぞれに「権利確定日」が設定されており、その日に株を持っていれば配当金を受け取る権利が発生する。つまり、配当金を受け取るために1年中株を持っている必要はないということだ。権利確定日当日に株を買い、翌日に売る、というやり方も可能。ただし、権利確定日に近くなればなるほど株価も高くなることは覚えておこう。

では、肝心の配当金はいくらもらえるのだろうか?これは、どの会社の株を持っているかで異なる。各企業は独自の配当額を設定しており、自社ウェブサイトのIR情報ページなどで公開している。例えば、ユニクロを展開するファーストリテイリングの場合、2016年度の中間配当金は1株あたり185円、期末配当金は165円だ。

ただし、第5回で紹介した通り、1株ごとの購入価格は会社によって異なる。そのため、株価に対して配当金額が大きいかどうかを知るためには、「配当利回り」を知ることが必要だ。

配当利回りの算出式は
「1株あたりの配当金」 ÷ 「購入株価」 × 100

A社の株価が1000円(1株)で配当金が10円の場合、配当利回りは1%
B社の株価が1000円(1株)で配当金が20円の場合、配当利回りは2%

上記の例で言えば、B社のほうがA社よりも1%配当利回りが高いことになる。このように各企業の配当利回りを比較することで、どの会社の株が配当の側面から見て得か、という判断をすることが可能になるのだ。

一般的に、配当利回りが2%を超えると高配当であるとみなされる。中には5%を超える配当利回りを提示する企業もある。現在、メガバンクの定期預金の金利が0.1%程度であることを考えれば、2%の利率でもかなり大きいと実感できるのではないだろうか。

配当利回りの高い企業のリストは証券会社のウェブサイトや Yahoo!ファイナンスなどでも紹介されているので、チェックしてみるといいだろう。

ここまで読んで、「さっそく高配当の会社の株をどっさり買おう!」と思った人は、もう少し待ってほしい。配当目当ての投資をするために覚えておいてほしいのが次の1点だ。

「配当利回りの高い会社」=「優良企業」ではない

配当利回りが高いからといってその会社の株が「買い」かと言えば、そうとは限らない。算出式を見ればわかる通り、配当利回りは「株価」と「配当金額」の2つの要素から決定される。つまり、配当利回りが高くなる場合には2つのパターンがあるということだ。ひとつは、配当金額が上がった時。もうひとつは、株価が下がった時。

業績好調で配当金額が上がったために配当利回りが高くなっているなら、問題はない。気をつけなければいけないのは、業績不振などの理由によって株価が下がった結果、相対的に配当利回りが高くなっている場合だ。後者の場合、高い配当利回りに釣られて株を買ったはいいが、株価が暴落して配当利益以上の売買損が出てしまった、という事態になりかねない。

配当利回りを基準に株の購入を考える時は、「株価が上がっているか」「利益を出しているか」などの要素も同時にチェックすることを忘れないようにしたい。証券会社のウェブサイトや会社四季報などを参考に、直近だけでなく、長期的な実績をよく観察してから購入を検討するといいだろう。

配当金の受け取り方は?

配当金を受け取る方法は4つ。

1 株式数比例配分方式
2 一括振込方式
3 配当金領収証方式
4 個別銘柄指定方式

それぞれ何が違うのか、以下で説明していこう。

1 株式数比例配分方式
「株式数比例配分方式」を選んだ場合、配当金は証券口座に入金される。それぞれの証券会社を通じて保有している株式の数に応じた金額が配分される仕組みだ。例えば、「インベスター社」の株をA証券に100株、B証券に200株持っていて、配当金の総額が3万円だった場合、A証券の口座には1万円、B証券の口座には2万円が振り込まれることになる。

NISA口座を使っている場合は、この方式を選んだ場合のみ、配当金が非課税になる。その他にも、源泉徴収つきの特定口座を利用している場合は配当収入の確定申告をしなくてもよくなったり、売買損が出た場合は証券会社が代わりに損益通算をしてくれるなど、いろいろと使い勝手のいい受取方式だ。

2 一括振込方式
「一括振込方式」を選んだ場合、配当金は指定の銀行口座に一括振込される。複数の証券会社を通じて株式を保有していても、すべての配当金がひとつの口座に振り込まれるので、利益をひと目で把握できるメリットがある。

3 配当金領収証方式
「配当金領収証方式」は最も歴史の古い受取方式。株式の発行会社から送られてくる「配当金受領証」をゆうちょ銀行の窓口に持って行き、配当金と交換するやり方だ。

4 個別銘柄指定方式
「個別銘柄指定方式」では、2の「一括振込方式」と同様、配当金が指定の銀行口座に入金される。「一括振込方式」と異なるのは、銘柄ごとに配当金が振り込まれる銀行口座を指定できることだ。振込先の指定をするには、各証券会社に「配当金振込指定書」を提出すればOK。新規銘柄を買うごとに銀行口座の指定が必要なので忘れないようにしたい。

株式投資には興味があるが、なるべく手間を省きたい、という人は多いはず。そんな初心者にオススメなのが、配当金で稼いでいくやり方だ。次回は、もうひとつの「利益」の源である株主優待について説明する。

 

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