クレイジーになれ!
そして、自分の人生を生きろ!(後編)

設立4年目にして、ウェディング業界の話題をさらう風雲児。結婚式の常識をくつがえす自由でクリエイティブなサービスが支持され、急成長中のベンチャー企業、株式会社CRAZY。創設者の山川咲さんは、「自分の人生を生きること」の大切さに気付き、起業したという。人生の本質を問いかける、山川さんのインタビューを3回にわたってお送りする。

山川さん後編photo

山川咲さん 株式会社CRAZY/CRAZY WEDDING創設者


妥協だらけの
結婚式なんてイヤだ

帰国後、私はCRAZY WEDDINGの立ち上げに向かって走り始めました。女性のキャリア支援や託児所のプロジェクトなど、ほかの事業の可能性も模索してみましたが、ウェディング事業がいちばんピンと来たのです。

そこには、強い動機がありました。私自身が顧客として、かつて結婚式を行ったときの“体験”です。

「自分たちも参加してくれた人たちも、一生忘れられないような壮大なスケールの結婚式がしたい!」 はち切れんばかりの期待で胸を膨らませて準備を始めた私と森ちゃんは、式場を回るたびに“型にはまった結婚式”を押し付けられることにびっくりしました。「和装か洋装か?」「ウェルカムボードはどこに置くか?」「料理のコースは松竹梅どれにするか?」……。延々と続くマニュアルの押し付けに耐えきれなくなった私たちは、ふつうの結婚式場での挙式をあきらめました。

どうすれば理想の結婚式ができるのか? 試行錯誤していたときに、あるアートディレクターが「その夢をかなえよう」と共感してくれたことで、道が開けました。思いを共有できる会場やクリエイターを紹介していただき、私たちの結婚式作りが始まりました。

森ちゃんと互いにアイデアや意見を出し合い、ときにはぶつかりながらも必死で準備し、迎えた当日。私たちにとって本当に大切な人を招き、これまでの感謝を伝えて恩返しをする日にしたい。そんな思いがつまった「GIFT」というコンセプトで、チャペルもプールもお庭もパーティー会場もすべて貸し切りにしました。会場では、みんなでサンバを踊ったかと思えば、世界的アーティストの大太鼓演奏が始まり、プールサイドではシェフが素晴らしい料理を振る舞う。最後は参加者全員が輪になって歌を歌い、クリエイティブで幸せに満ちた1日が終わりました。

2人で力を合わせてやりきった達成感。そしてそれを家族や友人たちが見守り、承認してくれる幸せ。そのとき実感したのは、結婚式はゴールではないということ。むしろ、2人が初めて行う共同作業であり、スタートなのです。力を合わせて1つのことを成し遂げたという体験は、その後、夫婦生活において困難を乗り切る原動力となってくれます。

マニュアルに従って、形だけの結婚式を挙げても意味がない。CRAZY WEDDINGが目指す「人生を変えるほどの結婚式」とは、結婚式がもつ本来の意味とパワーを取り戻すことでもあるのです。

いったん妥協したら 人生は戻って来ない

CRAZYは現在、5年目の節目を迎えています。ウェディング事業を発展させながら、私たちは新しい事業の可能性を探り始めました。

私はずっと、「人の人生を変えるほどの影響力のある仕事がしたい」と思ってきました。新卒で人事教育コンサルティングの会社を選んだのも、その観点からです。起業し、結婚式を通じてたくさんの新郎新婦の人生のお手伝いをし、感動をわけあう中で、ますますその思いは強くなっています。そのうえで、次に自分ができることは何なのか。誰に対して、どういう形で「人生を変える」機会を提供していくのか。まだ具体的になっていませんが、ウェディングに次ぐ新しい夢に向かう段階が来ていることだけは確かです。

はっきり言って、いまは苦しい。起業から走り続けてきたスピードをゆるめ、大きくなった組織のあり方を見直しながら、次の事業を模索する日々。ジャンプする前の、深く屈みこむような時間。しかしこの苦しみ、内省を回避しては、目指す未来は来ないと思っています。

これまでも私は、目の前の問題に全力でぶつかり、自分が進むべき道を見つけてきました。大人はよく「夢はいつかかなう」といいますが、それはウソです。夢を見るよりも、力をつけるのが先。私の場合は、子供時代から会社員時代まで、とにかく自分ができることに全力を尽くしました。背景にあるのが脅迫観念だったり、会社へのオーバーすぎる忠誠心だったりしたことは、もしかすると間違っていたのかもしれません。でも、どんな理由であれ懸命に生きてきた日々があったからこそ、いまがある。努力を続けてきたからこそ、やりたいことがみつかったときに「できる自分」がいたのです。

いったん自分をごまかし、諦めてしまえば、もう人生は戻ってきません。小さなことであっても、「これでいいや」と妥協した瞬間に、人生は自分の手をすり抜けていきます。そして気が付いたときには、「家族を養うため」「上司に恵まれなかったから」「夢と現実は違う」と、何かのせいにして主体的に生きることを放棄してしまうのです。

私はそうなりたくない。人生を諦めず、自分の意思をもって、夢をかなえるために生きていきたい。

落ち込んでも、失敗しても前を向いて、妥協せずに進んでいく。私やCRAZYの生きざまを見て、「私にもできる」と勇気をもつ人が増えたら、そんなにうれしいことはありません。

さあ、あなたも……。

Be CRAZY!! (終わり)

  • プロフィール写真
    山川 咲 (やまかわ・さき)

    株式会社CRAZY / CRAZY WEDDING 創設者
    大学卒業後、ベンチャーのコンサルティング会社へ入社。5年間の社会人生活にピリオドを打ち、退職後一人オーストラリアへ。帰国後、「意志をもって生きる人を増やしたい」との想いを実現すべく、業界で不可能と言われ続けたオリジナルウェディングブランド・CRAZY WEDDING を立ち上げ、たった1年で人気ブランドに成長させる。2016年には事業を退き、次のステージを志す。毎日放送「情熱大陸」に出演。著書『幸せをつくるシゴト』(講談社)

☆山川さんの著書
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☆CRAZY WEDDING のHPはこちら

*目次
 【前編】特殊な環境で育ち認められようとした子供時代
 【中編】人生イコール会社と信じて突っ走った20代
*【後編】いったん妥協したら人生は戻って来ない

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