金の話をしよう!(前編)~三田紀房×グラゼニ原作者・森高夕次トークLIVE

左から森高夕次氏、三田紀房、天狼院書店スタッフ、天狼院書店店主の三浦崇典氏

「グラウンドには銭が埋まっている!」というセリフが飛び出す、異色のプロ野球マンガ『グラゼニ』。原作者・森高夕次氏と三田紀房のトークLIVE「金の話をしよう!」が、天狼院書店の主催で行われた。マンガに出てくるお金ネタ、そしてマンガ家稼業の実態――。お金の話はやめられません!



1000億円なんて、コンサバね

司会 『インベスターZ』で、投資部の子たちは3000億円という大金を運用していますよね。あの設定が面白い。

三田 連載を始める前に、外資系投資銀行の女性に相談したんです。中高生が元手1000億、利回り3~4%くらいで投資する設定はどうかと聞いたら、「コンサバね」と言われまして(笑)。「元手3000億、利回りは10%くらいいかなきゃだめよ」とアドバイスされて、そのまま使いました。ま、マンガですから(笑)。

司会 『グラゼニ』の主人公はプロ野球の投手。彼はなんと他の選手の年俸を全部記憶していて、対戦しながらバッターが自分より収入が高いか低いかを考えている。プロ野球でこういう切り口のマンガは今までなかったですね。

森高 実際、野球選手って対戦相手の年棒を意識していると思うんですよ。年俸の差が100倍とかある人たちが、同じグラウンドで勝負するわけですから。一般の社会でも、サラリーマンが「俺よりあいつの給料のほうが高い」とか、よく言いますよね。プロ野球にもそういう話を入れたら、読者の共感を得られると思いました。主人公の最初の年棒も、サラリーマンが想像しやすくするために1800万円にしたんです。

               ⓒ森高夕次・アダチケイジ/講談社

司会 なるほど。天狼院書店はいま店舗数を拡大していて、資金を銀行から借りたり投資家から集めたりするのが大変なんですよね。『インベスターZ』にはベンチャー投資の話も出てきますが、財前君はうちの書店に投資してくれますかね?

三田 ベンチャー投資家に聞くと、起業家が成功するかどうかを見極めるのは難しくて、十社に投資したうち、九社はだめでも一社が大化けすれば他をカバーできるという世界。とても不確実なので、最後の決め手は「その起業家が好きかどうか」らしいです。

森高 じゃあ天狼院書店は大丈夫でしょう(笑)。私は町の小さな書店が消えて大型書店ばかりになるのは悲しいと思っていて、天狼院書店にがんばってほしい。さっき楽屋でビジネスモデルを聞いたら、カフェやアパレルの店舗とコラボレーションしたりして、新しい業態でうまく人気が出ているのでこれはいいなと思いました。

司会 ありがとうございます。そうはいっても資金繰りが大変ですけどね。毎月、社員にお給料をきちんと払うのって大変です。

森高 われわれマンガ家もアシスタントを雇って給料を払うので、規模は小さいけど経営者の方の気持ちが分かります。三田さんのところ、アシスタントは何人くらい?

三田 通いで常時5人いて、月給制にしていますね。連載2本のうち、常に1本はアシスタントに作画を手伝ってもらう。最近だと『砂の栄冠』や、新連載の『アルキメデスの大戦』がそうです。『インベスターZ』はデジタル作画を手掛ける会社に外注しているので、その支払いもあります。

森高 アシスタントを固定給にしているのですか。うちはアルバイトで、仕事があるときに4人くらいを雇っています。もう細々とやってますよ。

司会 でもマンガって、ヒットすれば大きく儲かりますよね。

森高 そういう面もありますが、マンガ家は原稿料いくらの世界で、こつこつ日銭を稼ぐという姿勢を忘れたらだめだと思うんです。私はお金儲けとか、ビジネスという観点で仕事を考えたことはありませんね。

司会 三田さんはどうですか。

三田 私はめちゃくちゃお金儲けを考えてます。 (会場爆笑)

後編に続きます!

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               ⓒ森高夕次・アダチケイジ/講談社