「ボールを蹴るだけの選手になるな!」中村憲剛×週刊連載2本にこだわる三田紀房 異色の「プロ論」 

2015年6月20日(土)にて開催されたJ1リーグ1stステージ第16節・松本山雅FC戦ではフロンターレのマスコット「カブレラ」を祝うカブの日イベントが開催されました。 「カブ=株」ということで、株投資を楽しく学べる「株ライフゾーン」が登場し『インベスターZ』とのコラボ企画も実施! そこで今回は三田紀房と川崎フロンターレに所属の中村憲剛選手とのスペシャル対談をお送りします。領域は違えど、プロとしての継続の秘訣には共通点も……!? 前編はこちらから

—–三田先生は、サッカーとの関わりってどのぐらいあるんですか。

三田紀房(以下:三):野球の漫画を描いているので、野球関係の方と対談することは多いですが、サッカー選手は初めてかもしれません。

中村憲剛(以下:中):じゃあ、僕が初めてなんですね。

三:生まれて初めてサッカーを観たのが、2006年のドイツワールドカップでした。オランダ対アルゼンチンです。

中:・・えっ、ドイツまで行ったんですか?

三:行きました!

中:すごい!

三:集英社の雑誌から家にFAXが送られて来て、「ドイツW杯にいきませんか?」と書いてあったんですよ。何かの冗談だろうと思ってましたが、とりあえず電話をかけてみたら「観戦して漫画をカラー4ページで描いて欲しい」という依頼でした。それで現地に行ってオランダ対アルゼンチン、日本対ブラジルの2試合を観ましたよ。

中:日本は1対4でブラジルに負けた試合ですね。

三:そう。最初、玉田圭司のゴールで「うわーー!」ってなったけど、その後はシュンってなった(笑)。試合後は、中田英寿が寝転んでいました。面白かったですよ、初めてのサッカー観戦。

—-ドイツの街の盛り上がりも凄かったのでは?

三:一番印象的だったのが、ホテルでテレビをつけたら何かしらのサッカーの番組をやっていたことですね。しかも、みんな難しそうな顔をして議論をしている。日本だとタレントが出て来て、ユニフォームを着てお祭り騒ぎになっている番組が多いと思うですけど、ドイツは生真面目な番組ばかり。お国柄が違いますね。

中:歴史も違いますからね。日本は、お祭りになりますから。

三:あとオランダのサポーターがすごかった。オランダ人はでかくて、みんな190㎝、100kgぐらいの体格で、タトゥーが入っている連中が電車にたくさん乗ってくるから、怖い怖い(笑)。しかも乗車マナーがめちゃくちゃ。こっちは指定席の券を持っているのに、平気で座って来る。

中:強烈ですね。日本では考えられないかも・・・。

三:試合中に、相手とぶつかったときに向こうの選手が「ワー!」ってなんか言ってきますね。あの言葉ってどんな感じなんですか?

中:こっちは日本語です(笑)。お互いに何か言ってるんでしょうけど。

三:英語ではない?

中:英語と日本語、半分半分ぐらいですね。「デンジャラス!」とかそのぐらい。「あぶないだろ」って(爆笑)

三:あと不思議なのは、個人の選手、例えばアフリカのチームと試合をしたら、相手の誰が誰だかわからなくなることは?

中:・・・え?どういうことですか?

三:いや、自分がマークしなくてはいけない選手が誰かわからなくなったりするとか。

中:それは大丈夫ですね。背番号でわかりますから。

三:なるほど!背番号が重要なんですね!テレビだと、引いた画面で観ているので、わからなくなるので・・・。

中:背も違いますからね。でもそういうところが不思議に感じるんですね。小さい頃からずっとサッカーをやっているので、考えたこともなかったです。

—-憲剛選手は「インベスターZ」で印象的なシーンや好きなセリフは何かありますか。

中:8巻にホリエモン(堀江貴文)が出てきましたよね。「プレゼンするやつは言い訳ばっかりしてやらない。成功するやつは、やるやつだ。やってみてダメだったらまたやればいい」みたいなことを言っていたのは印象でした。自分もいろんなトライをしてきたほうなので、やはり成功するためにはやらないと始まらないんだと。

三:ホリエモンの書籍を担当しているスタッフがいて、ポロッと言った言葉が良い言葉だったりするんですよ。例えば、「美人の隣に座れるのは、告白したやつだけだ」とかね。なるほど。ホリエモンって良いことと言うな。確かに、思いを伝えない限りは永遠に美女の隣には座れない。

中:しかも、その絵の男がまぁまぁブサイクなんですよね(笑)。先生の、そういう細かいところが好きなんですよ。「こいつ、頑張ったんだろうなぁ」って思います。

三:言われても、なかなか出来ないのが人間ですから。でもやった人は成功の切符だけは手にしている。切符を手にしない限り、永遠に電車には乗れないですから。まず切符を買うことが大事なんですよ。

中:なるほど。最初は株から始まったんですけど、だんだん人生観のような漫画になってますよね。自分も34年生きてきているから、自分の考えや生きていく考え方それに照らし合わせて読めるのが良いですね。たぶん20歳の子が読むとまた別の感想があるはず。

三:そうですね。一緒に人生を考えていく漫画にしないと大きなマーケットに広がらなかったり、ビッグヒットにはならないんですよ。

中:最初はミステリーの要素もありますよね。財前の名前に学校のオーナーである藤田家の当主がピクッとなったり、伏線があって気になります。

三:そういうのは、後から考えるんですよ。

中:えっ、後付けなんですか!!

三:最初から考えておくと、人間ってそれをすぐに描きたくなってしまいますから。謎とか仕掛けは、フックだけつけておいて後から描くんです。編集者からも漫画をみて「これ、何ですか?」と聞かれるんだけど、「後から考えるわ」って答えてます(笑)。後から出して、いかにも考えていた風にしておくんです。サッカーもそうじゃないですか。前半にこうしておいて、後半はその裏をかくプレーをしてみたり。

中:はい。それをいつも考えるポジションなので(笑)。仕掛けるときの組み立ては似てますね。1発目はこれを出して、2手目は出す振りをして、違うところに出す。そういう風にしてます。

—-話はつきませんが、そろそろお時間になりました。

中:今日は楽しいお話をありがとうございました。漫画家の先生がここに足を運んで対談してくれるなんてありえないですよ。僕の知っている先生方はすごく忙しそうなので・・・。

三:今は漫画界も厳しいですから。机に座って漫画だけ描いていれば良いという人も、もちろんいます。でも外に出ていろんなコラボレーションをして、作品を読者に知ってもらう努力をしないといけない時代にきていると私は思ってます。

中:僕もまったく同じことを思っているんですよ。サッカー選手もピッチでボールを蹴るだけじゃいけない時代に来ている。いろんな媒体に出て、自分たちを知ってもらう・・・漫画なら読んでもらう、サッカーならスタジアムに来てもらう。そうやっていくことが大事ですよね。(談)

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インベスターZ 1巻

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