「大金持ちになりたければ投資をするな!」(後編)

利益を出し続けるトレーダーが解説

株で失敗する人のほとんどが、「投資」と「トレード」の違いをわかっていない――。プロのトレーダーであり、「株の学校ドットコム」講師でもある窪田 剛さんが、一般の専門書やセミナーが見落としがちな重要な視点を教えてくれた。前編はこちらから

窪田 剛

24歳で独立し、トレード及び不動産投資、飲食店、スタートアップ企業などへの投資を国内外で行っている。28歳のときにネパールに学校を寄付。現在もトレードをしながら並行してこれらの投資活動も続けている。



具体的なトレードの始め方

実際にトレードを始めるとしたら、どのような心構えと準備が必要なのでしょうか。私は10年以上トレーダーとして利益を出しています。その経験から、「30歳で500万円の預金がある会社員から、トレードを始めたいと相談を受けた」と仮定して、説明していきましょう。

まずは預金500万円のうち、10~20%の50万円~100万円を運用資金とするようアドバイスをします。少ないと思いますか? これは一般的に、運用しているときに増えたり減ったりしてもその人が一喜一憂しない額を想定しています。極端に言うと、なくなってもいいことを前提にした額です。

多くの人が、株を始めるときに預金のほとんどを費やそうとしますが、それは絶対にいけません。500万円の預金をつぎ込んでトレードを始めると、例えば100万円といった損失が発生したときにあっという間に自分の金銭感覚を超えてしまい、他のことが手に付かなくなります。

常にスマホで値動きをチェックするなど、「お金に振り回されている」状態に陥り、冷静な判断ができなくなる。そうなると適切なタイミングでの損切などできるわけがありません。結果、初心者が一度でほとんどの預金を失ってしまうということがよくあります。

ですから最初は少ない資金で練習し、売買に慣れることが大切です。失っても平常でいられるくらいの額から始めて、最初の半年はトレーニングしながら大きく減らさないことを目指します。

そして残高が増えるようになってきたら、残りの100万円、200万円と足していく。これはスキーを始めるときにまず転び方を覚えるようなもので、売買に慣れると上手に失敗できるようになる。その段階までいってから、ジャンプ=大きな額の売買に挑戦するのです。

ただし私の経験上、トレードを始めてもすぐに2倍、3倍に増やせるわけではありません。しかしスキーの転び方と同じで、大けがをしないように資金管理をしっかりと学んでトレードを行えば、ちゃんと稼げるようになっていきます。

トレードは単なる「運」ではないのです。時間をかけて売買の感覚を身に付け、着実に行うべきものです。しかし、とにかく株を始めれば大儲けできると勘違いし、安易に多額の資金を投入して失敗する人が非常に多い。もっとも、一度に大きく資金を入れて、いちかばちかというギャンブル的な勝負をしたいのであれば、それでいいのですが(笑)。



「トレードは悪」という見方は誤解

ここまで読んできて、トレードが運次第のギャンブルではなく、知識とトレーニングによって腕を鍛えていくものであることがわかったと思います。どのジャンルでも、何も知らない初心者が入っていって勝てるということはありません。

例えば格闘技の試合を見て「やってみよう」と思って、いきなりプロ相手に試合を申し込む人はいませんよね。まずルールを勉強して、トレーニングを積んで体力と技術を身に付けてようやくリングに上がる。勝てるようになったら段々と対戦相手のレベルを上げていく。トレードの世界も同じです。

私は長年トレーダーとして訓練を積んで利益を出し、いまは平行して宇宙関連のベンチャーなどへの投資も行っています。少ない元手をトレードで増やし、資金が大きくなったところで将来性のある企業や技術を持っている企業にじっくりと投資するという流れは私にとって自然なものでした。

しかし、日本では身体を使った労働を尊ぶ価値観が強くて、投資やトレードにネガティブな印象をもつ人が多い。ある程度理解が進んだ人であっても、「長期投資はいいが、トレードというのは単なるギャンブルではないか」という見方が一般的になっています。実際、トレーダーという職業に対して、「お金がお金を生む」「虚業」などという言い方をよくしますよね。

でも、考えてみてください。トレードをする人がいないと経済がどうなってしまうか。長期のスパンで株を売買する人だけでは、売買する人の数が少なくなってしまい、買いたくても買えない、売りたくても売れないということになってしまいます。

つまり、トレードが頻繁に行われないと株式の流動性が非常に低くなってしまうのです。株を売買する人が少ない硬直した市場では、企業は増資等で資金を集めるのが困難になり、経済は停滞してしまいます。つまり、トレーディングは日本の企業と経済を活気づける重要な役割を担っているのです。

トレーダーは決して世間が言うような職業ではありません。トレードに興味がある人は、経済の役に立っているという意識のもと、しっかりと勉強して大いに稼いでください!(談)

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