大金持ちになりたければ投資をするな!(前編)

利益を出し続けるトレーダーが解説

株で失敗する人のほとんどが、「投資」と「トレード」の違いをわかっていない――。プロのトレーダーであり、「株の学校ドットコム」講師でもある窪田 剛さんが、一般の専門書やセミナーが見落としがちな重要な視点を教えてくれた。

窪田 剛

24歳で独立し、トレード及び不動産投資、飲食店、スタートアップ企業などへの投資を国内外で行っている。28歳のときにネパールに学校を寄付。現在もトレードをしながら並行してこれらの投資活動も続けている。



投資部に抜けている「重要な視点」


『インベスターZ』に一つ、突っ込みを入れさせてください! 投資部の子たちは、「投資」と「投機・トレード(以下、トレード)」を一緒くたにしていませんか? 投資は株を半年以上、場合によっては5年、10年と保有し、企業が成長したら株価が上がり、その分が利益になります。一方、トレードは数分~数週間といった短期間で株の売買を繰り返します。日々の株価の変動に対して、「買い」「売り」という市場参加者の心理・需給を読み取って利益を出すのです。

投資部は自らを「投資家」と名乗りながら、マンガの中では投資とトレードの両方を行っています。実は、この2つをごちゃ混ぜにするのはとても危険なことなのです。

まず、投資とトレードでは「やるべき準備」が全く異なります。前述の通り、投資は企業の成長に資金を投じます。ですから財務諸表やそのビジネスモデル、業界の将来性等を分析し、さらに現在の株価が割安かどうかを判断して、株価がこれから上がる潜在的な能力があるかを見極めて株を買い、決算発表のたびにその結果を確かめながら成長を待つというプロセスが必要です。

トレードの場合は、市場参加者の心理の読み方を学び、過去のパターンを参考にしながら売買のタイミングを図ることが求められます。日々の株価の変動を利用し、チャンスがあれば売買するので、企業の財務諸表やビジネスモデルまで分析する必要はありません。

投資とトレードは、例えて言うなら陸上における短距離とフルマラソンくらいの違いがあるのです。選手がそのどちらを選ぶかによって、コーチの質、必要なトレーニングや栄養の摂り方などは全く異なります。それくらいの差があるのに、株についてのセミナーや書籍のほとんどが、この2つをごちゃ混ぜにして説明しています。

そのせいで、投資をしているつもりがトレードになっているとか、違いを理解しないまま株式に資金を投じてしまう人が多い。株で儲けられない人のほとんどが、このパターンにはまっていると思います。

勉強して将来性がありそうな会社や、割安な会社を見つけて株を買ったのはいいけど、割安なままずっと持ち続けているという経験はありませんか。または、短期売買で利益を上げるつもりで買った株が下がってしまったので長く持ってしまい、「いつか戻る」と思ったまま放置して塩漬けにした経験はないですか。

そもそも株の勉強をしているときに、「損切りが大事」と書いてあるものと、「長期保有が前提で、簡単に売ってはいけない」と書いてあるものがあって、矛盾していますよね。これらの事象は全て、投資とトレードの区別がついていないため起こります。



少ない資金をトレードで増やす


そのうえで私が言いたいのは、「お金持ちになりたければ、『投資』はするな!」ということ。

驚きましたか? どういう意味かを説明していきましょう。

投資では、一般的に年率7%の利益を上げられれば成功といわれます。あなたがうまく企業を見極めて成功できたとして、一年で300万円以上を稼ぐには4,285万円程度の元手が必要です(300÷4,285=7%)。財務諸表や株式の割安さをきっちり見極める力があれば資産が減るリスクは低いですが、利益を出すために長い時間と多額の元手がかかるのです。

その点、トレードの場合は数分~数週間のスパンで売買を行うので、利益を得るチャンスが多く、かつ失敗しても挽回する機会が多くあります。ですから、数十万、数百万円程の元手を効率良く増やすことが目的であれば、まずやるべきは投資でなくトレードです。

また、トレードでは売買の成功と失敗を数多く経験することにより、トレーダーとして短期間で成長することができます。反対に長い時間をかけて企業の成長を待つ投資の場合は、売買の機会が少なく、なかなか学習するチャンスを得られません。投資家が売買に慣れて成長するという意味でも、株をトレードから始めるというのは合理的なのです。

実際、私がこれまでトレードを教えた生徒の中には、800万円を3年で1億円にしたという実績を上げた人もいます。もしこれを長期投資で行っていたら、いったい何年かかっていたでしょうか。

ですから『インベスターZ』の中で、インベスターPの美雪ちゃんたちが10万円の元手でバフェットを目指して投資しているのは、私から見ると非常にもったいない。少ない資金では大きくもうけられないですし、時間がかかり過ぎてしまう。ぜひ方針を転換して、インベスターPにはトレードで儲けてほしいですね。(談)

※後編は11月19日(木)に掲載します

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